#07 証券外務員1種・2種試験対策 財務諸表と企業分析 資産の部
賃借対照表と損益計算書の仕組みを理解する
企業の財務状況を把握するためには、財務諸表の理解が不可欠です。特に賃借対照表と損益計算書は、企業の資産、負債、収益、費用の状況を示す重要な書類です。
3つの基本財務諸表
企業分析を行うために理解すべき3つの基本財務諸表は以下の通りです:
- 賃借対照表
- 損益計算書
- キャッシュフロー計算書
これらの財務諸表をもとに企業の経営状況や財務体質を分析することができます。
賃借対照表とは
賃借対照表(バランスシート)は、企業のある時点における資産、負債、純資産の状況を示す財務諸表です。これにより、企業の財務的な健全性や資金の流れを把握することができます。
賃借対照表の構造
賃借対照表は主に資産の部、負債の部、純資産の部から構成されます。本記事では特に資産の部について詳しく見ていきます。
資産の部
資産の部は、流動資産、固定資産、繰延資産の3つに分類されます。
流動資産
流動資産は、1年以内に現金化または費消される資産です。具体的には以下のようなものが含まれます:
- 当座資産:現金、預金、受け取り手形、売掛金
- 棚卸資産:製品・商品、半製品、仕掛品、原材料等
- その他流動資産:前渡金
固定資産
固定資産は、長期間にわたって使用される資産です。以下の3つのカテゴリに分けられます:
- 有形固定資産:建物・構造物、機械及び装置、土地
- 無形固定資産:特許権、のれん(事実上の権利)
- 投資:その他の資産
繰延資産
繰延資産は、支出が既に行われているが、将来の期間にわたって費用として配分される資産です。
流動資産と固定資産の分類
流動資産と固定資産の分類は、営業循環基準と1年基準によって行われます。
営業循環基準
営業循環基準とは、企業本来の事業活動により現金が製品となり、現金として戻ってくるような営業循環過程内で発生したものを流動項目とし、それ以外を固定項目とする基準です。
1年基準
1年基準とは、1年以内に現金化できるものを流動項目、1年を超えて現金化できるものを固定項目とする基準です。
まとめ
財務諸表、特に賃借対照表の理解は企業分析において極めて重要です。流動資産と固定資産の分類方法を正しく理解し、企業の財務状況を適切に評価することが求められます。証券外務員として、この知識を基に顧客に対して適切なアドバイスを提供し、信頼関係を築いていきましょう。
問題1:財務諸表の理解
企業の財務状況を把握するために必要な3つの基本財務諸表はどれか。
A. 賃借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書
B. 賃借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書
C. 損益計算書、キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書
D. キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書、負債計算書
解答と解説
解答: A. 賃借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書
解説: 企業分析に必要な3つの基本財務諸表は、賃借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書です。
問題2:賃借対照表の構造
賃借対照表における資産の部に含まれないものはどれか。
A. 流動資産
B. 固定資産
C. 繰延資産
D. 収益資産
解答と解説
解答: D. 収益資産
解説: 賃借対照表の資産の部には流動資産、固定資産、繰延資産が含まれますが、「収益資産」という項目は含まれません。
問題3:流動資産の分類
次のうち、流動資産に該当しないものはどれか。
A. 現金
B. 建物
C. 売掛金
D. 棚卸資産
解答と解説
解答: B. 建物
解説: 流動資産には現金、売掛金、棚卸資産などが含まれますが、建物は固定資産に該当します。
問題4:固定資産の分類
次のうち、固定資産に該当するものはどれか。
A. 受け取り手形
B. 半製品
C. 特許権
D. 前渡金
解答と解説
解答: C. 特許権
解説: 固定資産には有形固定資産(建物、土地など)および無形固定資産(特許権、のれんなど)が含まれます。特許権は無形固定資産に該当します。
問題5:流動資産と固定資産の分類基準
1年基準において、流動資産として分類されるのは次のうちどれか。
A. 建物
B. 機械及び装置
C. 原材料
D. 土地
解答と解説
解答: C. 原材料
解説: 1年基準では、1年以内に現金化できるものを流動項目とします。原材料は1年以内に現金化できるため、流動資産に分類されます。
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