#25 証券外務員1種・2種試験対策 債券業務
債券とは
債券は、発行者が債務者となり、投資者が債権者となる金融商品です。債券の発行者は、一定期間後に元本と利息を投資者に返還することを約束します。債券は、資金調達手段としての役割と、投資対象としての魅力を持ちます。
資金調達手段としての債券
債券は、企業や政府が資金を調達するための手段として発行されます。発行者は、債券を発行することで、投資者から資金を調達し、その資金を事業運営やプロジェクトの資金として利用します。
投資対象としての債券
投資対象としての債券は、収益性、安全性、流動性(換金性)の3つの特徴を持ちます。
- 収益性:債券の収益は、主に利息収入によって得られます。
- 安全性:債券は通常、元本が保証されているため、安全性が高いとされています。
- 流動性:債券は市場で取引されており、比較的簡単に現金化することができます。
債券は通常無担保で発行されますが、銘柄によっては政府の保証や担保が付いているものもあります。
債券の担保例
- 政府保険債:政府が保証する債券。
- 一般担保債:特定の資産を担保にする債券。
- 物上担保債:不動産などの物的資産を担保にする債券。
債券の種類
債券には様々な種類があり、それぞれ特徴があります。
国債
国債は、日本政府が発行する債券であり、現存する債券の約8割を占めています。
- 長期国債(10年/利付):価格競争入札による公募入札方式で発行。
- 超長期国債(20年・30年・40年/利付):長期の資金調達に利用。
- 変動利付国債:市場金利に応じて利率が変動する国債。
- 中期国債(2年・5年/利付):中期の資金調達に利用。
- 国債短期証券(TDB):短期間で償還される国債。
- 個人向け国債:個人投資家向けに発行される国債。
- 物価連動国債:物価指数に連動して元本と利息が調整される国債。
- ストリップ国債:利子部分と元本部分が分離されて売買される国債。
公募入札方式
国債の発行は、公募入札方式を採用しており、入札によって発行価格が決定されます。
- 建設国債:公共事業の資金調達を目的とする国債。
- 赤字国債:財政赤字を補填するために発行される国債。
- 借換国債:既存の国債の償還資金を調達するために発行される国債。
- 財投債:財政投融資計画の資金調達を目的とする国債。
その他の金融商品
- コマーシャルペーパー(国内CP):短期の無担保約束手形。
- 譲渡性預金証書(CD):定期預金の一種で、譲渡可能な証書。
まとめ
債券は、発行者と投資者の間で資金の貸借を行う重要な金融商品です。多様な種類があり、それぞれの特性を理解することが、証券外務員としての業務において重要です。債券の特性や種類、担保の有無などを把握し、適切な投資判断や顧客への助言を行うための知識を身につけましょう。
問題1:債券の基本的な役割
債券の発行者と投資者の役割として正しいものはどれか。
A. 発行者が債権者、投資者が債務者
B. 発行者が債務者、投資者が債権者
C. 発行者が保証人、投資者が債務者
D. 発行者が債務者、投資者が保証人
解答と解説
解答: B. 発行者が債務者、投資者が債権者
解説: 債券の発行者は債務者として、資金を調達し、投資者は債権者として資金を貸し付けます。
問題2:債券の特性
次のうち、債券の特性として正しいものはどれか。
A. 収益性、流動性、安全性
B. 流動性、リスク、成長性
C. 安全性、リスク、収益性
D. 収益性、流動性、成長性
解答と解説
解答: A. 収益性、流動性、安全性
解説: 債券の特性には、収益性、安全性、流動性(換金性)の3つが含まれます。
問題3:債券の種類
次のうち、債券の種類として正しいものはどれか。
A. 国債、地方債、政府関係機関債
B. 公社債、民間債、保険債
C. 企業債、地方債、外国債
D. 国債、企業債、保険債
解答と解説
解答: A. 国債、地方債、政府関係機関債
解説: 債券の種類には、国債、地方債、政府関係機関債などがあります。
問題4:国債の特徴
現存している国債の約8割を占めるのはどれか。
A. 長期国債
B. 中期国債
C. 短期国債
D. 個人向け国債
解答と解説
解答: A. 長期国債
解説: 現存している国債の約8割を占めるのは長期国債(10年/利付)です。
問題5:その他の金融商品
次のうち、コマーシャルペーパー(CP)に関する説明として正しいものはどれか。
A. 長期の無担保約束手形
B. 短期の無担保約束手形
C. 長期の担保付き約束手形
D. 短期の担保付き約束手形
解答と解説
解答: B. 短期の無担保約束手形
解説: コマーシャルペーパー(CP)は、短期の無担保約束手形です。
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