#32 証券外務員1種・2種試験対策: 転換社債

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#32 証券外務員1種・2種試験対策: 転換社債

転換社債型新株予約権付社債(CB)について学ぶことは、証券外務員試験の合格にとって重要です。ここでは、転換社債の基本概念、特徴、評価方法、価格変動要因について詳しく解説します。

転換社債型新株予約権付社債とは

転換社債型新株予約権付社債(CB)は、新株予約権が付された社債であり、分離譲渡ができないのが特徴です。

新株予約権

新株予約権とは、発行会社の株式を予め定められた価格で一定数量買付けできる権利のことです。権利行使者に対して、新株を発行して渡すか、自己株式を渡します。

転換社債の特徴

転換社債には以下のような特徴があります:

  • 発行価格:額面単価より高く設定されます。
  • 利率:普通社債より低いです。
  • 期間:様々ですが、5年前後のものが多いです。
  • 担保:ほとんどが完全無担保です。
  • 券種:1銘柄につき1種で、ほとんどが100万円券です。
  • 償還:満期一括償還制ですが、買入消却や繰上償還条項が付けられる場合もあります。

株式への転換条件

転換社債を株式に転換する際の条件は以下の通りです:

  • 転換価額:1株あたりの発行価格です。
  • 取得株数:以下の計算式で求められます。
  取得株数 = 額面金額 / 転換価額

転換社債の評価

転換社債の評価方法として、パリティ価格と乖離率が用いられます。

パリティ価格

パリティ価格とは、転換社債の株式価値を表す理論価値です。

パリティ価格(円) = 株価 / 転換価額 × 100円

乖離率

乖離率は転換社債の時価とパリティ価格の差を示します。

乖離率(%) = (転換社債の時価 - パリティ価格) / パリティ価格 × 100

  • 転換価額:990円
  • 転換社債の時価:100円
  • 株式の時価:980円

パリティ価格は円単位未満を切り捨て、乖離率は小数点第3位以下を切り捨てて計算します。

  • プラス乖離(転換社債 > パリティ価格):転換社債をそのまま売却する方が有利です。
  • マイナス乖離(転換社債 < パリティ価格):株式に転換して売却する方が有利です。

転換社債の価格変動要因

転換社債の価格は以下の要因で変動します:

  • 金利の変動
  • 社債クレジットスプレッドの変動
  • 株価の変動(ボラティリティ)

価格変動の影響

  • 転換社債の価格が上昇すると:金利は低下し、クレジットスプレッドは縮小、株価は上昇、ボラティリティは上昇します。
  • 転換社債の価格が下落すると:金利は上昇し、クレジットスプレッドは拡大、株価は下落、ボラティリティは下落します。

まとめ

転換社債の理解は、証券外務員試験において重要な知識となります。これらの基本的な概念や評価方法、価格変動要因をしっかりと理解し、実践に役立てましょう。

以下に、上記ブログ内容に基づいた問題とその回答を提示します。これらの問題を解くことで、知識の定着を図りましょう。

問題1:転換社債の特徴

次のうち、転換社債の特徴として正しいものはどれか。

A. 発行価格は額面単価より低く設定される
B. 利率は普通社債より高い
C. 担保は完全無担保であることが多い
D. 複数の券種が存在することが一般的である

解答と解説

解答: C. 担保は完全無担保であることが多い

解説: 転換社債は、ほとんどが完全無担保で発行されます。発行価格は額面単価より高く設定され、利率は普通社債より低く、1銘柄につき1種の券種が一般的です。

問題2:株式への転換条件

次のうち、転換社債を株式に転換する際の条件として正しいものはどれか。

A. 転換価額は発行時の市場価格によって変動する
B. 取得株数は転換価額を額面金額で割った数で決定される
C. 転換価額は常に一定で変動しない
D. 取得株数は発行会社の業績に応じて変動する

解答と解説

解答: B. 取得株数は転換価額を額面金額で割った数で決定される

解説: 株式への転換条件として、取得株数は「額面金額 ÷ 転換価額」で決定されます。転換価額は発行時に設定され、一般的には固定されています。

問題3:パリティ価格

次のうち、パリティ価格の計算式として正しいものはどれか。

A. パリティ価格(円)= 株価 × 転換価額 × 100円
B. パリティ価格(円)= 株価 ÷ 転換価額 × 100円
C. パリティ価格(円)= 転換価額 ÷ 株価 × 100円
D. パリティ価格(円)= 株価 ÷ 転換価額 ÷ 100円

解答と解説

解答: B. パリティ価格(円)= 株価 ÷ 転換価額 × 100円

解説: パリティ価格は転換社債の株式価値を表す理論価値であり、計算式は「株価 ÷ 転換価額 × 100円」となります。

問題4:乖離率の計算

転換価額が990円、転換社債の時価が100円、株式の時価が980円の場合、乖離率を計算してください。次のうち正しいものはどれか。

A. 20.4%
B. 2.04%
C. 0.2%
D. 20.4%

解答と解説

解答: B. 2.04%

解説: パリティ価格を求めると、パリティ価格(円)= 980円 ÷ 990円 × 100円 = 98円(円単位未満切り捨て)。乖離率は(100円 – 98円)÷ 98円 × 100 ≒ 2 ÷ 98 × 100 ≒ 2.04%(小数点第3位以下切り捨て)。

問題5:転換社債の価格変動要因

次のうち、転換社債の価格変動要因として正しいものはどれか。

A. 社債の償還期間の長短
B. 社債クレジットスプレッドの変動
C. 債券の発行会社の業績
D. 発行時の社債のクーポンレート

解答と解説

解答: B. 社債クレジットスプレッドの変動

解説: 転換社債の価格は金利の変動や株価の変動、社債クレジットスプレッドの変動によって影響を受けます。

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オーシャン管理人

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