#13 証券外務員1種・2種試験対策 財務諸表と企業分析 資本効率性分析

#13 証券外務員1種・2種試験対策 財務諸表と企業分析 資本効率性分析

資本効率性分析とは

資本効率性分析は、資本がどれほど効率よく運用されているかを評価するためのものです。この分析では、回転率や回転期間といった指標を用います。

回転率

回転率は、資本または資産がどれだけ効率的に売上を生み出しているかを示す指標です。

• 回転率＝売上高／資本または資産

回転率が高ければ高いほど、資本効率が良いことを示しています。

回転期間

回転期間は、資本または資産が1回転するのに要する期間を意味します。回転期間が短いほど、資本効率は良いとされます。

例：総資本回転率が0.94の場合、総資本回転期間は？

• 総資本回転期間＝12／総資本回転率＝12／0.94＝12.8ヶ月

総資本回転期間が短ければ短いほど、資本の利用効率が高いことを示しています。

総資本利益率

総資本利益率は、売上高利益率と総資本回転率の積で表されます。

• 総資本利益率＝売上高（純）利益率×総資本回転率

売上高（純）利益率が一定である場合、総資本回転率を高めることで総資本利益率も高くなります。つまり、資本をより効率的に運用することで、企業全体の利益率を向上させることができます。

成長性分析

成長性分析は、企業の成長力を評価するための分析です。増収率と利益成長率を用います。

増収率

増収率は、売上高の成長率を意味します。

• 売上高成長率（％）＝当期売上高／前期売上高×100

利益成長率

利益成長率は、利益の成長率を示します。

• 利益成長率（％）＝当期利益／前期利益×100

まとめ

資本効率性分析は、企業の資本や資産がどれだけ効率的に運用されているかを評価するための重要な手段です。回転率や回転期間といった指標を用いることで、資本の利用効率を測定し、企業の利益率や成長率を向上させるための戦略を立てることができます。証券外務員として、これらの知識を基に顧客に対して適切なアドバイスを提供し、信頼関係を築いていきましょう。

問題1：回転率の計算

総資本回転率の計算式として正しいものはどれか。

A. 売上高／自己資本
B. 売上高／総資本
C. 総資本／売上高
D. 自己資本／売上高

問題2：回転期間の計算

総資本回転率が0.8の場合、総資本回転期間はどれか。

A. 12 / 0.8 = 15ヶ月
B. 0.8 / 12 = 0.067ヶ月
C. 12 × 0.8 = 9.6ヶ月
D. 12 / 0.8 = 10ヶ月

問題3：成長性分析

売上高成長率の計算式として正しいものはどれか。

A. 前期売上高／当期売上高 × 100
B. 当期売上高／前期売上高 × 100
C. 当期売上高／総資本 × 100
D. 前期売上高／総資本 × 100

問題4：利益成長率の計算

利益成長率の計算式として正しいものはどれか。

A. 前期利益／当期利益 × 100
B. 当期利益／前期利益 × 100
C. 当期利益／売上高 × 100
D. 前期利益／売上高 × 100

問題5：資本効率性と利益率の関係

売上高（純）利益率が一定である場合、総資本回転率が高くなるとどうなるか。

A. 総資本利益率は低くなる
B. 総資本利益率は変わらない
C. 総資本利益率は高くなる
D. 売上高（純）利益率は変わらない