#18 証券外務員1種・2種試験対策 株式業務 注文の執行と決済

#18 証券外務員1種・2種試験対策 株式業務 注文の執行と決済

株式の委託注文内容の確認

株式の委託注文を受ける際には、以下の内容を確認する必要があります。

• 売買の種類：現物取引または信用取引
• 銘柄：取引対象の株式銘柄
• 売り買い区分：売り注文か買い注文か
• 数量：注文する株式の数量
• 値段の限度：成行注文または指値注文
• 売買立会時：寄付き、引け、ザラ場など
• 委託注文の有効期限：注文の有効期間

契約締結時交付書面

売買が成立した場合、遅滞なく顧客に契約締結時交付書面を交付し、その写しを保存します。また、情報通信の技術を利用して提供する方法も認められています。

受渡し（決済）

株式の売買が成立した後、受渡し（決済）が行われます。以下は手数料と決済方法についての概要です。

手数料

• 委託取引：委託手数料が発生します。
• 仕切取引：手数料を徴収するか、売買値段に手数料相当分を含めることがあります。

決済日の違いによる区分

• 当日決済取引：同じ日に決済が行われます。
• 普通取引：売買成立から3営業日目に受渡決済が行われます。
• 発行日決済取引：株主割当により新たに発行する株券を対象とした決済方法です。

DVP決済

DVP（Delivery Versus Payment）決済とは、資金と証券の同時または同日中の受け渡しを行う決済方法です。これにより、決済リスクを軽減します。

信用供与の有無による区分

• 現物取引：実際の株式を売買する取引
• 信用取引：証券会社からの信用供与を受けて行う取引

売買立会市場によるか否かの区分

• 立会内売買：オークション方式で個別競争売買を行います。
• 立会外売買：クロス取引や電子取引ネットワークシステムによる取引を行います。

立会外売買の種類

• 立会外単一銘柄取引：特定の銘柄に対する取引
• 立会外バスケット取引：15銘柄以上、1億円以上のポートフォリオを対象とした取引
• 終値取引：その日の終値での取引
• 自己株式立会外取引：企業が自社の株式を取引する場合

立会外売買では、新株予約権付社債、ETF、J-REITなども取引対象となります。

まとめ

株式業務における注文の執行と決済は、詳細な確認と慎重な管理が求められます。これにより、投資者保護と取引の公正性が保たれます。証券外務員として、これらのプロセスを正確に理解し、顧客に対して適切なサポートを提供することが重要です。

問題1：委託注文内容の確認

株式の委託注文を受ける際に確認すべき内容として正しいものはどれか。

A. 顧客の年齢
B. 売買の種類
C. 顧客の勤務先
D. 顧客の家族構成

問題2：契約締結時交付書面

契約締結時交付書面を顧客に交付するタイミングとして正しいものはどれか。

A. 売買注文の受注時
B. 売買が成立した後、遅滞なく
C. 売買注文のキャンセル時
D. 売買が成立した翌月

問題3：受渡し（決済）の手数料

仕切取引の際の手数料徴収方法として正しいものはどれか。

A. 手数料を徴収しない
B. 委託手数料を徴収する
C. 売買値段に手数料相当分を含める
D. 顧客に返金する

問題4：決済日の違いによる区分

普通取引の決済が行われる日として正しいものはどれか。

A. 売買成立当日
B. 売買成立翌日
C. 売買成立の3営業日目
D. 売買成立の1週間後

問題5：立会外バスケット取引

立会外バスケット取引の条件として正しいものはどれか。

A. 5銘柄以上、1,000万円以上
B. 10銘柄以上、5,000万円以上
C. 15銘柄以上、1億円以上
D. 20銘柄以上、2億円以上